東日本大震災を経験した者として
これから起こりうる大地震への備えとして気が付いた事を
・・・小さな事かも知れませんが・・・
ご参考になればと思い、書き記します。
〔耐震ラッチ〕
家屋は全壊(倒壊はしていません)となった我が家ですが
食器類・台所用品は全く壊れませんでしたので
割れた食器類が散乱して足の踏み場もない…
という状態にはなりませんでした。
開き扉に取り付けてある耐震ラッチによってロックされ
扉が開かず、中の物が落ちなかったからです。
後付けできるので、これは一番のお薦めです。

またアンティークのカップボードの棚板に敷いてあったレースも有効でした。
刺繍部分がストッパーになり、カップが動かないためだと思います。
震災前にも何度か大きな地震がありましたが、不思議と壊れずに済みました。
〔ランタン〕
非常用ロウソクやいただき物のキャンドルなど非常時用にと取ってありましたが
絶え間なく襲ってくる余震のため、ロウソクは使えませんでした。
他の災害の場合は別として、地震の際には懐中電灯の他にランタン・・・
電池とソーラー両用なら尚いいと思います。
〔生活用水〕
30年以内に宮城県沖地震が来ると言われていたので
お風呂にはいつも水が張ってある状態にしていました。
給水車が来てくれても、いただけるのは飲料用だけです。
おトイレの水をはじめ、洗面・洗濯などたくさんの生活用水が必要ですから
(赤ちゃんや小さなお子さんのいるご家庭は特に)そのための備えも必要です。
浄化剤を使えば飲料用にすることもできるようです。
また雨水を貯めておくのもいいと思います。
今回我が家ではガーデニング用に
レインセーバー(天水桶)を設置しましたが
非常用水にもなりそうです。
自治体によっては補助金が出るところもあるようです。
〔衛生用品〕
一番時間のかかるガスの復旧までに、この地域で6週間ぐらいかかっています。
お風呂に入れないので、清浄綿を準備しておくといいと思いました。
〔飾り物〕
棚に立て掛けておく額などもテグスなど目立たないもので
壁面と繋げておくと、落ちなくてすみます。
いずれにしても物をあまり外には出さず
できるだけ収納しておくのが一番ですね。
〔箪笥〕
ウォーク・イン・クローゼットがあり、あまり箪笥はありませんでしたが
上下2つに分かれている箪笥は皆、上の部分が落ちて壊れました。
下に敷いた転倒防止用のゴムマットは全く機能しませんでした。
(ピアノが2mも動いたくらいですから…)
〔バスローブ〕
地震はいつ来るかわからないので・・・入浴中かも・・・
バスローブを一枚常備していました。
4月5日深夜の大きな余震の際には、友人は入浴中だったそうです。
〔保温調理鍋〕
震災後に購入した保温調理鍋は普段でも大活躍してしますが
これは非常時にも役に立つと思います。
卓上コンロである程度調理できますが、ガスの大幅な節約になりますし
真夏は別として、そういう時には有り合わせの材料でもスープ類が
とてもいいと思います。
また何か思い出したら随時書き足していきます。
最後に
〔これから家を建てられる方へ〕
全壊となった我が家ですが、実は某大手ハウジングメーカーの展示場でした。
ですが生活する中で、大地震が起こればこのような事態になる事は予測できており
いずれ耐震工事が必要との認識はありました。
(地盤に問題はなく、設計の問題からです)
このような事態になった時に見えてくるのは「家作り」に対する姿勢です。
「想定外の地震」を理由にいっさい関せずという姿勢の大手メーカーもあれば
全てのお客様をまわって対応された地元の工務店もあります。
建てて売ってそれで終わりとするか・・・
自分が関わった家には生涯関わリ続ける・・・それほどの想いと誇りと
自信を持って家作りに携わって下さるか・・・
工法はもちろんですが、そこはとても大事な事だと
今回の罹災・建て替えにあたり、実感いたしました。